場面の切り取り方によって見えてくるもの② (全6回)

 

 

次に左CBの説明ですが担当マークCFになります。

さらにはパサーである右FBより内側にいるCFにはボールサイド(BS)とゴールサイド(GS)が存在します。簡単に言えば縦と内です。(図4)

図4

守備の基本中の基本、特に最終ラインでは自分担当マークの選手のボールサイドをケアし、内側に反転された場合は次の選手がゴールサイドをケアするという約束事があります。

イングランドではジュニア世代でもやっていることですが、その理屈は簡潔に言えば縦に行かれたら大惨事を招くからです。詳細は長くなるのでここでは割愛します。

ちなみに図4の場合左CBCFのボールサイドをケアしていて、反転された場合のゴールサイドのケアは右CBになります。右CBの(ボールサイド)担当となる選手はいません。

このときに先ほどの図2、図3のようにCF左CBから離れた場合、角度的には左CBはまだCFのボールサイドを取っているとはいえCFのレシーブスペースが広がります。(図5)

図5

自分たちが引いたオフサイドライン上か手前(ハーフウェイライン側)にボールを放り込まれた場合なら問題ありませんが、上から落とすボールを裏に蹴られた場合ピンチを招く可能性があります。

よってここもわずか数センチながら左CBCF側に寄ってしまうか、寄らずとも意識が余計に向かい、肩の角度も余計に広がります。

変わらなければ実際に右FBが裏にボールを放り込めばいいわけです。

このようにポジショニングや動きによって特定の選手を意図したところに動かす/とどまらせることをOccupationあるいはPin Downといいます。(図6)

図6

さらに右AMのダイアゴナルランを効果的にするなら左CMにボールサイドをあえて取らせて安心させてからディフェンシブブロックの中で浮遊して「担当だれなの?」状態を作るという個人戦術も求めたいところです。(図7)

図7

そしてこの状態では守備側からしたらチーム全体どころかユニット全体守備ベクトルも出せなくなっています。Pin Downを仕掛けている選手など各々ベクトルを出しているようなものです。

よって裏抜けする右AMボールが渡りやすくなるという現象が起こります。(図8)

図8

 

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