「選手の特徴」の活用法⑥(全10回)

 

図16

 

図16は4-1-2-3からのトランスフォーメーション(シフトチェンジ)、有名な偽FBのフロー(動線)を表しています。

分かりやすくするために中盤1-2のシェイプ(ポジショニング)にしていますが、MFの一人ディフェンスラインにダウンし、二人MFユニットの背後に行くというところがポイントなのでフォーメーション自体は先ほどのままでも構いません。

 

また、3-4-3にして3バックのセンターを図のDMに置き換え、4のワイド(WB:ウィングバック)を図のFBに置き換えても分かりやすいと思います。

 

もちろんFBのエリア(ディフェンスラインの前)にもっと選手が欲しければAM(アタッキングミッドフィールダー:オフェンシブハーフ)を一枚下ろすことも可能ですが、ボールがMF-DFユニット間に入った後のプレースピードも考慮してシステムを作らなくてはいけません。

 

反対にDMディフェンスラインの前に上げる(元の場所に留まらせる)かどうかはGKの足元のスキルだけでなく、相手の攻守の切り替え時のシステムにも関わってくる問題です。(今回のテーマから逸れてしまうので詳細は割愛します)

 

図17

 

FBを内側に畳む一番の特徴、利点はもともと相対していた選手、つまりマーク担当する選手であるWMの警戒心や、できるなら実際のポジショニングまでをも内側に持っていかせることによって、フランク(ワイドエリア)にいる選手(図だと右WG)をフリーにしやすくなるということです。(図17)

 

図18

 

もしこのフランク(にいる右WG)に左FBが反応するなら、そのおかげで作られたスペースを利用できる位置に右AMがいます。(図18)

 

図19

 

それに左CBが反応するならトップ下(左AM)までボールを送れます。

またのバトルができるセンター裏にボールを送ることもできます。(図19)

 

それではこの内側に畳まれたこの右FB左CMが見て左WM右WGを警戒するとしたらどうでしょう。

 

 

図20

 

右AMへのパスコースが空きやすくなります。(図20)

 

図21

 

この右AM左FBがケアすれば右WGがそのスペースを利用できます。(図21)

左WMに警戒されていようとこの高さならお構いなしです。

 

反対に言えば、右WGが完全に左WMに姿をさらしている(FBたちと同じ高さの位置にいる)わけではない、どころかやや背後を取っているこの状況では左FBは前(右AM)に詰めることができません。

これは図18での状況のときにも言えることです。

 

つまり自分一人に対して左WM左FB二人に矢印(守備ベクトル:警戒心)を出させる、そんなポジショニングの上手さがこの右WGには求められます。

 

図22

 

また左FBの代わりに左CB右AMにプレスをかけるようなら当然左AMCFが裏を狙いにいけます。(図22)

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