「選手の特徴」の活用法⑧(全10回)

 

 

さて、ここでWG/WMのドリブルの話が出たので、最後にそのドリブルについての特徴の活かし方に最後に触れて今回のトピックを終えたいと思います。

 

指導者の方は皆さん、自分のチームの選手の特性をチェックするためにその選手たちの色々なポジションへのコンバートを経験されていると思います。

 

このとき足の速い選手のコンバートのコネクションが大体WGからFBへ、もしくはその逆ということに偏りがちです。

あとはCFとCB間、CFとWG間の移動などでしょうか。

 

そもそもチームに入団したての最初の起用ポジションはその選手の希望のものであったり、前カテゴリー(ユースにとってのジュニアユース)や前チームでプレーしていたポジションであったりするのが一般的です。

 

ここでは「足が速いということはこのポジション」とか「もともとこのポジションだったから互換性の高いこのポジションも向いてるかも」という大雑把なくくりで判断せず、もう少し細かい類別を整理したいと思います。

 

まずフリーランが速いということはフリーでのドリブルも速い、とほぼ一致するはずですが、万が一「フリーランは速いのにフリードリブルは遅い」という選手がいたら、キッズ世代ならともかく、その選手はよほどの努力不足です。

しっかり鍛えましょう。

 

図27

 

この一致があったうえで、Ⓐ裏に抜けるのと抜けてからのドリブルが速いタイプとⒷドリブルで抜くのも上手くて速いタイプの類別ができます。

 

図27は先ほどまでの説明で使った、内側に畳んだFBからアイソレートされたWGへのボール配給のパターンを表したものです。

この状況下でにもにもボールを送れる左FBのスキルとチーム全体の仕組みがあればこの右WGの特徴が上記のⒶ、Ⓑどちらであっても構いませんが、にしかボールを送ることができない場合、Ⓐのタイプの選手がこのポジションに起用されているとペネトレーションにはもうひと手間工夫が必要になってきます。

 

これはこのサイドチェンジのシチュエーションに限ったことではありません。

 

例えばアタッキングサードで、スペースがある状態でボールを受ける(ゴール方向に向いてパスを受ける余裕があるくらい相手との距離がある)にもかかわらず、相手と対峙した場合、縦に抜き去って中に切り込むことはおろか、フランク(ワイドエリア)からゴールラインに近い方の足(右WGにとっては右足)でクロスを上げることすら苦手なWGなら、他の選手がそれをしやすくするための手間をかけてあげる必要があるということです。

 

図28

 

図28はその一例も表わしたものになりますが、ここでは相手をかわしたり抜き去ることの苦手なWGのためにAMCB-FB間にポジショニングしてFBの警戒を内側に誘導しています。

 

図のように右AMディフェンスラインに侵入すれば左FBの体の角度の変化や実際の移動も起こるでしょう。

 

このような仕組み(システム、またはパターン)が出来上がっているのであれば、相手を抜き去るのが得意でないWGでも最低限右足でセンタリングを上げることが、それも多くの場合それなりにペナルティエリア寄りの場所から上げることができます。

 

また、同様に足は速いが相手をかわしたり抜き去るのが上手いわけではないFB(多くのFBがそうだと思いますが)にWGの役割をオーバーラップでさせることもあります。

 

図29

 

図29はそのFBを少しでもプレッシャーフリーにする様子を表しています。

右FBのために右WG左FBの意識、視線、肩、実際の移動の方向を操作する努力をしている状況です。

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