今回は私が実際に現場で使用したピッチ図を披露します。
この一年ほど私は日本の高校サッカー部にお世話になっていますが、無観客の試合が続く中でもスカウティングに関してはどの会場も寛容的で、リーグ戦では比較的簡単に対戦相手のデータを映像に収めることができます。
(都道府県による違いはあるかもしれませんが)
とはいえリーグのカテゴリーが異なる相手と戦うことになるトーナメント戦や、人員の問題等で前週までにスカウティングのデータを十分に揃えられなかったときは、試合当日のベンチからのスカウティングに多くを託すことになります。
ちなみに私のチームでは公式戦、練習試合にかかわらず、ベンチの内外合わせて10以上にも上る役割が選手に与えられます。(詳しくは機会があればまた書きます)
ベンチに入れるスタッフの数は大体どの大会も5人までで、そこにはチームドクターとGKコーチも含まれるので、残った3人で“自チームの全体的な観察”、“相手チームの全体的な観察”、“モチベーティング”の3つの役割を分け合います。
「全体的」はあくまで全体的なので、フォーメーションやシステムなどの確認にエネルギーを割くことになり、相手選手全員の利き足などをチェックする作業は選手に任せる、ということになるわけです。
そして選手に託すその役割の一つに「スローイン」というものがあります。
スローインでの勝率を少しでも上げるために、特に守備時における担当者と担当スペースを把握し、ピッチ上の選手に伝える、という役割です。
以前の記事にも書きましたが、スローインはビルドアップとその阻止のバトルにおける縮図のようなものであります。
よって私は日々の練習メニューにも取り入れるくらいスローインを重要視しているのですが、縮図ということであれば流れの中での全体の噛み合わせが分かれば逆算的にスローインでの担当者もおのずと分かってくるというものです。
うちの選手は慣れたもので立ち上がりの早い時間で相手のフォーメーションを見抜くことができますが、とはいえそこは高校生、何の準備もヒントも無しにそこから瞬時に自チームとの噛み合わせまで決められるものではありません。
というわけで「このフォーメーションとこのフォーメーションにはこういう形が無理なく合わさりやすい」というものをいくつか提示してあげるわけです。
前置きが長くなりましたが、以下がそれらになります。
ちなみにテクニカルエリアに立つことを許されているのはスタッフを含むベンチメンバーの中で一人だけで、ほとんどのチームではその権利を行使するのは監督になり、いずれにしても二人目が立つと四審に注意されます。
テクニカルエリアまで出てこずベンチ内でも、立つと、です。
そして「声を出すのも一人まで」という注意も今シーズン初めて受けました。
最近になって改定されたルールなのか、恥ずかしながら私が今まで知らなかったのか定かではありませんが、この注意をしてきた審判さんは今のところ一人しかいないものの、ベンチからの指示の出し方には気を遣いたいところであります。